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こども講談 <一>

旭堂南湖 2021/05/03発売 1069円 

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「ご挨拶~張り扇(拍子木)の叩き方教室~」(5分)
こんにちは。講談師の旭堂南湖です。皆さんは講談を知っていますか? 日本の古くからある芸能です。講談を読む人を講談師といいます。講談師は着物を着て、一人で座布団の上に座り、講談師の前には釈台と呼ばれる木でできた、机が置いてあります。この釈台を張り扇(はりおうぎ)や拍子木(ひょうしぎ)で、パンパンと叩きながら、リズムよく物語を読んでいきます。それでは張り扇の叩き方を練習してみましょう。

「西行鼓ヶ滝」(13分)
今から八百年以上前。兵庫県川西市に、水晶の簾を下げた様なきれい滝がございました。上から落ちてくる川の水が滝壷に当たりますと、ポンポンと音がした。鼓という楽器があり、その鼓を打ったように聞こえるから、鼓ヶ滝と名前がついた。ここへ西行がやってきて、歌を詠みました。
『伝え聞く 鼓ヶ滝に来てみれば 沢辺に咲きし たんぽぽの花』
見事な歌を詠んだが、西行の前にお爺さん、お婆さんが現れて……。

「こども力士チンチクリン 」(12分)
江戸時代のお話。柏戸という相撲取りがいました。柏戸の弟子は柏海、柏里、柏餅。柏餅という相撲取りがいている。ここに現れたのが十八歳で、身長百五十センチの小柄な男。柏戸の弟子になった。しこ名は越の海勇蔵。体は小さいが、力は物凄く強い。柏戸は勇蔵のことを、チンチクリンと馬鹿にしたり、いじめたりしている。勇蔵はいじめには負けません。そして、ついに勇蔵と柏戸が土俵で相撲を取ることになりました。

「那須与一 扇の的」(11分)
源平屋島の合戦。夕方に、平家方から出されました小舟。波打ち際、約九十メートルの所まで近付きますと、舟を横向きにいたしました。この時に、玉虫の前という女性。まことに美しい。美人の上の美人。これをビビビビビ美人と言います。玉虫の前が日の丸の扇を竿の先に結わえ付けて、舟端へ立て、「この扇を射抜くものはなきや」と言った。源氏方、那須与一はこの扇を射抜くことができるのでしょうか。

「豊臣秀吉の短歌 」(9分)
豊臣秀吉の母親はお仲さん。つまり、秀吉はお仲さんのお腹から生まれた。やがて段々と出世。ついには、天下統一。すると、お公家さんが悪口を言い出した。
「どうでおじゃる。萬里小路殿。綾小路殿。道路工事殿。えらい関白が出来ました。いっぺんいじめてやりましょう」
公家は意地悪です。人に意地悪ばかりしていると、髪の毛が抜けます。そういう人は公家と言わずにハゲと言います。さて、秀吉はどうする……。

「三方ヶ原の戦い 」(5分)
講談師になって、最初に練習するのが三方ヶ原の戦い。徳川家康と武田信玄の合戦です。いつ、どこで、誰が戦っているのか。どんな鎧を身に着けているか、どんな兜をかぶっているか、人数は何人か。これをリズムよく、読んでいきます。こういう合戦の様子を描いた講談を修羅場読みといいます。この三方ヶ原の戦いを何度も何度も繰り返し練習すると、大きな声が出せるようになります。今日からあなたも講談師になれますよ。

「真田幸村出陣」(5分)
現在の和歌山県。九度山で暮らしておりました真田幸村がいよいよ大阪城に向かう。馬にまたがりました幸村。
「我に続けー」
ピシリ、ハイコラ、ハイヨーーーーッ。砂煙土煙を立て疾風の如くに駆け出だしたり。
後に続いた面々は、穴山小助、矢沢丹後、岩倉右京、三好青海入道、弟伊三入道、駒ヶ谷大尼坊、三輪琴之助、伊勢崎五太夫、同じく九太夫、望月勘兵衛、霧隠才蔵、海野三左衛門、根津甚八、由利鎌之助、猿飛佐助……。

「赤穂義士討入 」(7分)
三百年以上前、吉良上野介という爺さんが、播州赤穂の浅野内匠頭という若い殿様をいじめました。浅野内匠頭は、元禄十四年三月十四日、江戸城松の廊下で、刀を抜いて、吉良上野介に切りかかった。刀を抜いた浅野内匠頭は切腹。相手の吉良上野介はのうのうと生きている。浅野内匠頭の家来たちは納得がいきません。元禄十五年十二月十四日、赤穂義士四十七士が、見事に吉良上野介の首を討ちとる名場面……。

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