コンテンツ紹介

ホーム > スポークンワールド > 稲森夜話<十>

稲森夜話<十>

稲森誠 2020/12/10発売 1528円 

【まよひがの館】(35分)
小学生の時分、近所にお気に入りの大きな洋館があった。ピアノの音が聞こえてくるそんなお屋敷に、子ども心にあこがれを抱き、登下校時に回り道してまで眺めに行ったものだった。大人になって久しぶりに実家に戻った時、ふと思い出して訪ねてみると、あの家は昔のままだった…。そのまますぎるくらいに。

【漆黒の闇の中】(13分)
子供のころから好きだった、深夜放送が終わった後のテレビの砂嵐。目を瞑ると、漆黒の闇が訪れる。でもその闇は、別の世界。戻ることの出来ない闇の世界…。

【押し入れ】(24分)
若い頃、下宿先を探していた私はどうしても金が無く、不動産屋さんの「少々難ありなんですが」といいつつ見せてくれた物件…。押し入れの紙が何度張り替えても浮いてくる。あるとき、何気に押し入れを開けた時、そこには壁に向かって正座をしている老人が…。

【水子】(19分)
昔の友達で、ある女の子の話。その子は若い時からいわゆる不良と呼ばれていた。子供も2回ほどおろしていたのだが、彼女が大人になり、かねてより付き合っていた男と結婚をした。その後、子供が生まれたから見に来てほしいと病院に行ってみると…。

【水面に映る男の顔】(21分)
昔、友人と皆でキャンプに行ったときのこと。あまりにも小川のせせらぎが綺麗で、私はその流れを思わず覗きこんだら…。そこには自分じゃない、別の男の顔があり…。