「五人目」(27分) 仮にキヨシ君とさせていただく。三十代男性の体験である。 今から十五年ほど前、彼が中学校三年の夏休み、当時所属していた部活動で田舎にある合宿所で最後の合宿に訪れていた時の事。仲良しのひとりがこの合宿時の近に面白そうな場所を見つけたから、夜になったら顧問の目を盗んで散策に行かないかと持ち掛けてきた。 キヨシ君は嫌な予感がしてやんわり断りかけたが、ほかに聞いていた二人の友達が乗り気になってしまい、結局断り切れずにその晩仲間四人で宿を抜け出し、懐中電灯の明かりだけを頼りに肝試しに出かけることになった。