
京都で生まれ育った吉田さんは小さいころに住んでいた一、二階ともに六畳間が二つある古い一軒家ですでにおかしな現象を体験していた。誰もいないはずの二階から足音が聞こえてきたり、庭先に白い女の人が立っていたり、中でも印象的なのは大小さまざまの無数の手形が出たり消えたりする天井板だったり。それでも不思議と恐怖心は起こらず、不思議だなと思う程度だったという。特に霊障もなく大人になり、結婚を機に同じ京都でも精華町という町の四階建てアパートに引っ越したのだが、この新居でも怪現象は続いたそうだ。そして、待望の子供を授かったその年、怪異は初めて恐怖を伴って牙をむいた。
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Audible: 実説 城谷怪談:はふりぞの