
松井さんという女性のお母さんは、九州の小さな町で生まれ七人兄弟の五番目だった。生まれつき体が弱く、生後間もなく十歳までは生きられないだろうと医者の宣告を受けたそうだ。父親はお母さんが生まれてほどなく漁に出て海難事故で亡くなり、母と祖母に育てられることになるが、医者にさじを投げられてしまった孫の命が少しでも永らえますようにと祖母が熱心に頼りにしたのが宗教だった。そんな祖母の姿を見ているうちに松井さんのお母さんも神様を信心するようになり、それがきっかけして霊感が強くなったそうだ。 信心の賜物かお母さんは無事健康に育ち、結婚もし松井さんが生まれたのだが、ある日不思議な黒い雲を見ることになった。
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Audible: 実説 城谷怪談:死の雲