50分でわかる「ジュリアス・シーザー」
今をさる二千年ばかりの昔、現在のイタリアがローマと呼ばれて世界に比類なき強き国であったころのこと、その国にジュリアス・シーザーという立派な人物があった。当時のローマは共和制といい、王様はなく、国民から選ばれた者たちが人民の上に立って国の政治を執り行う形になっていたが、シーザーはフランスやドイツなどのガリア人を討ち従え、さらに海峡を越えてイギリスまでも攻め入り、各地を征服して大いにローマの版図を広げ、偉大な功績があったため、選ばれて執政官という国の最高の地位についていた。それを良しとしない共和派の者たちは、内乱を平定して首都に帰ってきたシーザーが、皇帝の位に上り詰め、これまでの共和制を改めて帝国にしてしまいはしないかと恐れて、ひそかに仲間を集めて彼を亡き者にしようと企んでいた。
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