
今から二十年ほど前の事。八王子駅の近くにあった商業ビルの地階のオープンスペースには小さな居酒屋がお祭りの露店のようにひしめき合っていた。
そのうち一つの店でアルバイトをしていたKさんは当時高校三年生。はす向かいのハワイアンバルの店長と特に仲が良く、ある日気掛かりなことを聞かされた。
「この地階のオープンスペースには目に見えない客がいる。それは生者の客に混じって当たり前に現れる」と。
冗談めかして話してくれたその話は過日現実になってKさんと店長の身にふりかかかることになった。
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